1. 決算手続に際して各種機関の監査・承認及び日程等は法令や定款の定めより
① 会計年度終了 3月31日 ※定款に定めてあります。[定款令第33条]
② 事業報告等(事業報告、事業報告の附属明細書)の提出 理事 ⇒ 各監事 目安:5月初旬
計算書類関係(計算書類、計算書類の附属明細書)の提出 理事 ⇒ 各監事 目安:5月初旬
理事長が作成する書類
(1)事業報告
(2)事業報告の附属明細書
(3)貸借対照表
(4)収支計算書(資金収支計算書及び事業活動計算書)
(5)貸借対照表及び収支計算書(資金収支計算書及び事業活動計算書)の附属明細書
(6)財産目録
③ 理事会招集通知の発出 理事会開催日の1週間前(中7日間)まで
④ 監事監査
ⅰ 業務監査及び会計監査の実施
ⅱ 監査報告の作成
⑤ 監査報告の提出 監事 ⇒ 理事(又は会計監査人・会計監査人を設置している場合)
監査報告の提出期限は、次のうち何れか一番遅い時期 ※ 遅くとも②から4週間経過日までに提出
ⅰ 計算書類の受領日から4週間
ⅱ 附属明細書の受領日から1週間
ⅲ 理事及び監事が合意して定めた日
⑥ 理事会の開催 一般的には、5月下旬~6月上旬
ⅰ 事業報告等、計算関係書類及び財産目録の承認
ⅱ 定時評議員会の日時、場所、議題(決算、新役員、報酬基準等)の決定
⇒ 事業報告等、計算関係書類及び監査報告を事務所に備置き
[評議員会の日2週間前から(中14日間)]
【計算書類等は、定時評議員会の日の2週間前の日から5年間、その主たる事務所に備え置かなければならない(法45条の32①②)】 ⇒理事会の開催と評議員会の開催は2週間(中14日間)の間隔が必要
⑦ 定時評議員会の招集通知の発送 評議員会開催日の1週間前(中7日間)まで
※ 計算書類、事業報告、財産目録及び監査報告の提供
⑧ 定時評議員会の開催
●実質的には理事会の開催日から中2週間の間隔をあける
ⅰ 計算書類及び財産目録の承認、事業報告の報告
ⅱ 新役員の選任、報酬基準の承認等
ⅲ 社会福祉充実残額のある法人は社会福祉充実計画の承認
⑨ 資産の総額の登記 資産登記 ※6月末日が期限(申請期限)になりました。
組合等登記令第3条第3項の規定が改正で、資産の総額に変更は、毎事業年度末日から3月以内に変更の登記をすることとされ、平成28年4月1日以後の開始事業年度から適用しています。
評議員会関係のFAQより
問6 評議員会の招集を決定する理事会と、その後開催する評議員会の開催日は、何日の間隔を置くことになるのか?
(答) 定時評議員会においては、計算書類等の備置き及び閲覧に係る規定(改正法第45 条の32 第1項)との関連から、2週間の間隔を空ける必要があるが、それ以外の評議員会については1週間の間隔を置くことになる。
問7 定時評議員会の招集通知は、計算書類等を添付して、「2週間前」に発しなければならないのか?
(答) 計算書類等の備置きの始期は定時評議員会の日の2週間前の日からであるが、招集通知については1週間前までに通知を発すれば足りる。
資産の総額の変更登記の申請日 ⇒ 定時評議員会の開催日 ⇒ 定時評議員会招集通知の発送日 ⇒ 理事会開催日 ⇒ 監事監査日 ⇒ 理事会開催招集通知の発送日 ⇒ 計算書類等の完成日
2. 計算書類を作成するスケジュール
社会福祉法人の決算作業は、準備期間を含めて3月中旬から6月末の資産総額変更登記で終了します。従って、作業スケジュールは、期間内の事務内容を具体的に明示し、作業担当者、期限等の決定が重要です。具体的な作業内容は、法人により異なりますが、主な項目は次の通りです。
(1) 3月中に行う事務処理
ⅰ 期中会計処理の点検
ⅱ 当年度最終補正予算の作成及び確定
ⅲ 次年度当初予算の確定 [積立資産(預金)の設定(可能な限り)を含む]
ⅳ 年度末の現金残高の確認
ⅴ 年度末のたな卸資産、貯蔵品の実地たな卸 ※貯蔵品は支払資金に含みます
ⅵ 年度末の固定資産について、固定資産管理台帳と現物との突合
★最終補正予算に係わること
● 一般的には2月~3月に最終補正予算の策定・決議を行います。
● 予算の流用 ⇒ 予備費の使用 ⇒ 予算の補正の順序で手続きを行います。
※ 表のはみ出した部分はスクロールしてご覧ください。
予算の流用 | 予算の流用とは各勘定科目間の流用をいいます。 理事長の承認後に拠点区分内の中区分勘定科目 [人件費、事業費、事務費等] 相互間で予算の流用ができます。 |
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予備費の使用 | 予備費を流用する場合には、会計責任者は理事長の承認後に予備費を使用し、 その結果は理事会に報告します。 |
予算の補正 | 予算書の承認に至る経緯は、理事長が予算案を作成.理事会の開催・承認ですが、 租税特別措置法第40条適用の定款の法人は予算承認は評議員会です。 |
(2) 4月中に行う事務処理
ⅰ 銀行等の金融機関から残高証明書の入手及び銀行残高との照合
ⅱ 3月度月次試算表(決算整理前試算表)の作成
ⅲ 業者請求書締切り
ⅳ 決算整理伝票の作成
● 未収金・未収収益(経過勘定)の計上
● 未払金・未払費用(経過勘定)の計上
● 固定資産の除却、売却の会計処理の計上
● 減価償却費の計上
● 国庫補助金等特別積立金の積立・取崩の計上
● 徴収不能引当金の計上
● 賞与引当金の計上
● 退職給付引当金の計上
● 貯蔵品の期末棚卸額の計上
● 前払金・前払費用(経過勘定)の計上
● 前受金・前受収益(経過勘定)の計上
● 有価証券の貸借対照表計上額の確認
● 寄付金収益の確認
ⅴ 決算試表の作成
ⅵ 決算原案を理事長に提出
(3) 5月、6月中に行う事務処理
ⅰ 計算書類の作成(会計基準の様式の定めに従って作成)
⇒ 貸借対照表、資金収支計算書、事業活動計算書
ⅱ 附属明細表の作成
ⅲ 監事監査
ⅳ 決算理事会の開催、その後の評議員会の開催(中14日間の据置き)
ⅴ 資産の総額の変更登記(登記の申請日は6月末日が期限)